プロダクト開発ロードマップの問題点
プロダクト開発ロードマップとは、どのような機能が、どのくらいの時期にリリースされるかを記載したロードマップである。
プロダクト開発ロードマップの問題点は、アウトカムではなく、アプトプットに焦点が当てられていることである。別の言葉で言うと、課題やニーズではなく、開発物に焦点が当てられていることである。その結果下記の問題が起きる。
- 自分達が最適と考えるやり方を自由に選択できないためチームのモチベーションは低下する。
- 開発チームは開発物を引き渡すだけの存在となってしまう。ソリューションやアイデアを誰が考えたにせよ、机上で考えただけの最初のアプローチはうまくいかない。実際にはビジネス上の目的を達成するために別のアプローチを考える必要があるが、その力を開発チームから奪うことになる。
アウトカムにより目を向け、開発チームの能力を最大限引き出すには、アウトカムベースのロードマップを使ったり、OKRシステムのようなビジネス目標ベースのシステムを使うのがよいだろう。
OKR
OKRについては上記の説明をご覧いただきたい。
組織がスケールアップすると、各製品開発チームがどんなふうにより大きな組織に貢献しているのか、どうすればチームの枠を超えて仕事を調整し仕事の重複が避けられるかを把握することが難しくなるので、OKRというツールの必要性はますます高まる。
プロダクト開発チームにOKRを導入するのであり、エンジニア組織やデザイン組織など職能組織にOKRを導入すべきではないことには注意したい。チームメンバーがプロダクト開発チームと職能組織に対してそれぞれに目標がある場合、チームのメンバーは何に時間を使えば良いのかを悩み、混乱し、苛立ち、失望することになる。
もちろん職能組織の管理職が自分の組織に関連する個別の目標を持つことには何ら問題がない。彼らは通常プロダクト開発チームの仕事をしていないので葛藤を抱えていない。
また一般社員個人的成長に関わる少数の目標を持つことも通常は大きな問題ではない。これは個人が製品開発チーム一員としての責務に影響を与えるような負担を強いられることがないことが前提となっている。
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